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アルディ (アルディピテクス) : ミニ英和和英辞書
アルディ (アルディピテクス)
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


アルディ (アルディピテクス) : ウィキペディア日本語版
アルディ (アルディピテクス)

アルディ (Ardi) は、約440万年前のアルディピテクス・ラミドゥス(ラミダス猿人)の女性と見られる化石人骨(標本番号 ARA-VP-6/500)に与えられた愛称である。猿人の全身骨格として最初に発見されたルーシー(約318万年前)や、現存最古の幼児の全身骨格であるセラム(約332万年前)などをも100万年以上さかのぼるアルディは、2010年代初頭の時点で化石人類最古の全身骨格をそなえている〔河合 (2010) p.23〕〔ロバーツ (2012) pp.70-71〕〔2010年代初頭の時点で、10万年以上さかのぼるホミニンの全身骨格は、トゥルカナ・ボーイホモ・エレクトゥス、約153万年前)、(アウストラロピテクス・アフリカヌス?、約220万年前 - 約400万年前)、ルーシーアウストラロピテクス・アファレンシス、約318万年前)、セラム(同前、約332万年前)、そしてアルディの5体のみである(河合 (2010) pp.21-23 etc.)。〕。頭蓋骨骨盤、手足など、初期ホミニンの化石としては最も多くの部位が残されており〔A new kind of ancestor: Ardipithecus unveiled, Ann Gibbons, Science, 2 October 2009, 326:36〕、重要な箇所の残存という点でもルーシーを上回る〔The great divides, C. Owen Lovejoy et al., Science, 2 October 2009, 326:73〕。その分析結果は、従来推測されていた人類と類人猿最も近い共通祖先の姿を大きく覆すなど〔、古人類学の研究に大きな衝撃をもたらした〔ハーモン (2013) p.94〕。初めて研究成果が公表された2009年には、米国の科学誌『サイエンス』が、その年の最も顕著な科学的業績()に、アルディに関する諸研究を挙げている〔Human-like fossil find is breakthrough of the year (BBC News, 17 December 2009) 〕〔。
属の名前の一部であると同時に全身骨格の愛称にもなった「アルディ」は、発見されたエチオピアアファール語で「大地」を意味する〔Johanson & Wong (2010) p.283〕。
== 発見と公表 ==

=== 奇跡的な発見 ===

アルディの発見は1994年のことだったが、そのきっかけとなる発見は、1992年にさかのぼる〔河合 (2010) pp.18, 24〕〔Johanson & Wong (2010) p.284〕。1992年12月17日、の調査チームに参加していた東京大学諏訪元は、既知の種と異なるホミニンの歯を発見した〔シュリーブ (2010) pp.56-57〕。その歯は石ころに混じっていたため、諏訪のような化石人骨を見分ける訓練を積んだ者でなかったら見落とされていただろうとも言われている〔河合 (2010) p.24〕。その歯が進化の特徴を読み取りづらい第三大臼歯(いわゆる親知らず)であったことから、諏訪自身には落胆する気持ちもあったというが〔「人物ファイル 諏訪元」『ナショナルジオグラフィック日本版』2010年7月号、p.152〕〔諏訪・中村 (2012) pp.94-95〕、この歯の発見がきっかけとなり、周辺で新たなホミニンの発見が相次いだ。これがのちに「アルディピテクス・ラミドゥス」〔1994年に公表された当初はアウストラロピテクスの新たな種「アウストラロピテクス・ラミドゥス」とされたが、翌年に新たな属に含まれる化石として「アルディピテクス・ラミドゥス」と位置付けなおされた(ロバーツ (2012) p.70)。〕と呼ばれることになる化石人骨群であった。
その発見を踏まえて周辺の調査がさらに続けられ、1994年11月に、調査隊の一人が、潰れた箇所もあったものの、かなりの部位が残った化石人骨を発見した〔。これが後に「アルディ」と名付けられた個体である。骨格が見付かったのはのと名づけられた場所である。アルディの破損は死後カバなどの大型動物に踏まれたものと推測されているが、それによってハイエナなどに食い散らかされる前に泥に埋もれることができ、かえって比較的良好な保存状態になったと考えられている〔。アルディの生息環境は類人猿のそれと類似していたと考えられているが、森林が多いそのような環境では、類人猿は肉食獣の餌食にならなくても、樹下に落ちて死体が腐敗した後、骨も風化してしまうので、同じ時期の類人猿の場合、全身骨格どころか、骨片の発見すらきわめてまれなことである〔。そのような貴重な骨が地表に露出し、風化しないうちに発見されたことについては、ルーシーをはじめとする様々な化石人骨発見の場に居合わせてきたティム・ホワイトをして、「奇跡としか言いようがない」〔シュリーブ (2010) p.58〕と言わしめた。のちに研究グループに加わる比較解剖学者のもまた、初めてその骨格を実見したときのことを「重要な部分がすべて残っていると気づくのに、10分ほどかかりました。すごい、まさに奇跡だと驚きました」〔シュリーブ (2010) p.63〕と述懐している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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